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慢性の「痛み」に使われる漢方薬 第206話 

関節痛、腰痛、頭痛、首肩の痛み、生理痛・・・様々なところで痛みが起こり、人によって「痛み方」も違います。「痛み方」はとても重要なポイントで、原因をさぐるヒントになります。

 

 

漢方には、「不通則痛・不栄則痛」(仮名:ふつうそくつう・ふえいそくつう)という原則があります。「不通=気血が滞っている」または「不栄=気血が不足している」状態で痛みが起こるという意味です。「不通」の痛みは、程度によって差はありますが、ズキズキしたり、張った感じがしたり、刺すような、激しい痛みのことが多いです。気血の巡りが悪い状態、例えば朝起きたときや同じ姿勢でいると痛み、動いて気血が巡ると楽になる特徴があります。とはいえ運動して巡らせれば良い、といいきることもできません。炎症があったり子宮筋腫などの病気の場合もあるので、状況に応じた対応が必要です。漢方では気血の巡りを良くしたり経絡を通すような薬があるので、体の内側からのアプローチを試してみるのも良いと思います。

一方、「不栄」の痛みは何となく痛い、シクシク痛むような感じが多いです。貧血や疲労などで体が虚弱になっている場合は、「不栄」の状態で痛み、さすったり休むと良くなる傾向があります。食事や睡眠が足りない方はそこからです。それでも足りない方や、加齢による痛みの場合は滋養の漢方薬がおすすめです。