ちいきしんぶん掲載記事

感染症対策に漢方を 第203話

新型コロナウイルスはとどまることなく、変異しながらますます広がっています。自分でもう少し対策したい時に、漢方を思い出して頂ければと思います。

漢方の風邪薬といえば葛根湯が有名ですが、感染症で多い咽頭の腫れや熱がでる症状では、実はあまり適しません。適さないタイミングで使用して「漢方は効かない」という誤解を抱かれている方も多いのでは。

葛根湯は「辛温解表薬」で、悪寒を伴う風邪の初期症状に使用します。対して腫れ、赤み、熱に対する漢方の主役は「辛涼解表薬」又は「清熱解毒薬」です。代表的な生薬には、薄荷、菊花、板藍根、金銀花などがあり、抗菌作用や抗ウイルス作用が知られています。

これらは症状がないうちから予防としても使えるのが利点。ウイルスは体内に入ると時間とともに倍、倍と増えるので、怪しいと思った時、早めに対応しましょう。お茶や飴としてお子様から使用できます。人と会う時、外出時、家庭内感染が心配な時に、ぜひ取り入れてみてください。症状が現れたらしっかり服用を。軽症までで抑えられれば何よりです。

自身の免疫力も重要。病原菌やウイルスを払う「袪邪:きょじゃ」と、抵抗力を養う「扶正:ふせい」は両輪なのです。普段の体調に不安があればご相談を。

心配事の多いご時世ですが、お守り代わりの漢方薬で乗り切りましょう。