ちいきしんぶん掲載記事

隠れ貧血にご用心 第200話

「病院の貧血検査は大丈夫でした」とおっしゃる方でも、「血虚ですね」とお話しすることは割と多い気がします。矛盾しているようですが、当然あり得ることです。

 

漢方では血について、体の隅々に行き渡る量と、細胞を栄養する質が十分かをみています。一方血液検査は、「一定量の血液中」にヘモグロビンや赤血球がどれだけあるかを数えています。つまり血液検査では「体の隅々まで栄養豊富な血が十分に行き渡っているか」を判断するのは難しいのです。大昔にこんな検査技術はなかったので、症状から体の内側を判断する方法が確立した訳ですが、病院では診断のつかない「未病」を判断するのにはとても役立ちます。「血が不足してる状態」として、立ちくらみや動悸、睡眠の質の低下、乾燥肌、物忘れ、爪がわれやすい、夏でもつらい冷え症、疲れると生理が遅れるなどがあります。気になる症状はありませんか?病気は未然に防ぐに限ります。

 

 

貧血の治療として鉄剤も確かに有効ですが、胃腸が弱いと吸収されません。その場合は胃腸の状態を整えることが何より優先となります。そもそも貧血の原因が、胃腸虚弱のこともあります。また、食事の偏りや睡眠不足、目の使いすぎ、考えすぎなどは血を消耗します。血を増やす栄養や漢方を取り入れること、普段の生活で血の消耗を防ぐ養生が大切です。