ちいきしんぶん掲載記事

眼精疲労の養生 第204話

「眼精疲労」は単なる疲れ目ではなく、頭痛や倦怠感、うつ状態、吐き気、不眠、肩こりなどの全身症状を伴う状態です。眼や体の要因、ストレスや生活習慣などの要因も関係し、眼を使いすぎると悪化します。スマホやテレビ、ゲームなど、最近は眼を使うことが多くなり、子供でも症状を訴えることも。

 

「精」は、漢方では生命エネルギーの貯金のようなものです。精は腎に蓄えられていますが、「肝腎同源」といって、肝が消耗すると、腎もそれを助けて「精」を消耗します。そのため、全身症状が現れてしまうのです。

漢方薬では杞菊地黄丸が有名です。通称「飲む目薬」。点眼だけで回復しない方は、体の内側から補ってみましょう。杞菊地黄丸は、補肝腎の薬で、眼を担当する肝と、腎精を同時に養えて一石二鳥。加齢による症状にもおすすめです。

そして、何より必要なのは養生です。眼精疲労の原因は言わずもがな眼の「使いすぎ」。なるべく眼を閉じて、消耗を抑えることが必要です。点眼や漢方を使って一時的に回復しても、消耗に供給が追いつかなければ結局改善できません。就寝は10時が理想ですが、遅くとも0時には寝ましょう。休憩やトイレなどの隙間時間に、眼、首肩の緊張を緩める時間をとりましょう。

現代、これから先も眼を使うことが多いはずです。若い人でも油断せずに、眼を大切にしてください。