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漢方の風邪薬 第207話

今年も残りあとわずか、せわしない時節となりました。寒さで体が冷えて免疫力も落ち、風邪を引きやすくなるのがこの季節。病院にも行きにくいこのご時世、自分で早めに対応できると何かと便利です。そのために漢方の知恵をお役立て頂ければ幸いです。

風邪は3つのタイプで考えて、ある程度対応できます。

①ゾクゾクした寒気を感じるタイプ

実は全ての風邪の引き始めの症状と言われています。体の冷えから発熱に移行するタイミングです。葛根湯などで体を温め、少し発汗させて寒気を飛ばしてしまうと、風邪の症状が進行する前に治まります。辛めの鍋などを食べるのも良いかもしれません。発汗後の冷えには注意です。

 

②喉の痛みや鼻の症状、発熱タイプ

感染症など進行の早い風邪は寒気に気づかず、急にこの症状を感じることもあります。炎症や熱がある時には温めるのではなく、「清熱解毒作用」のある銀翹散などがおすすめです。

 

③吐き気や下痢などの胃腸の風邪

胃腸が冷え切ってしまい、体を温めても寒い、下痢が治まらないといった症状。このようなときは勝湿顆粒など、胃腸から温めるお薬を使います。

 

漢方の風邪薬は「症状を抑える」のではなく、「体の機能を助けて風邪を払う」ものです。気づいたタイミングですぐに使えるように、お一人なら3日分、同居のご家族がいれば10日分程度、それぞれ常備しておくと安心です。風邪に気をつけて、良い年末年始をお過ごしください。